from AQアニメーション

AQアニメーションより、映像制作に関してお伝えしたいこと。

How to Animation.

"アニメーションをもっと身近に"をモットーに、アニメーション制作について皆さんが知りたいこと、アニメーション制作者として皆さんに知ってもらいたいことをお伝えしていきます。

はじめに

2013年5月15日

AQアニメーションのウェブサイトをご覧いただき、ありがとうございます。 

 

この度、当サイトのリニューアルにあたり、「制作事例(MAKING)」と「How to Animation(HOW TO)」のふたつのコンテンツを新設いたしました。

その経緯について、少し長くなりますが、ご紹介したいと思います。

 

AQアニメーションは、2012年1月11日に個人事業として開業し、企業のTVCMから個人のイベントやお店の映像まで、宮崎県内で映像に関する様々なお仕事に関わらせていただきました。これは、「身近に、誰にでも、映像を利用してもらいたい」という目標を掲げるAQアニメーションとしては、大変ありがたく嬉しいことに感じています。

 

そういったお仕事に関わらせていただく中で強く感じたのは、宮崎県のお客様(特に個人の方)の多くが、アニメーションや映像を外注する際に、分からないことや不安なことを多く抱えている、ということです。

 

制作費や制作日数がどのくらいかかるのか。どんな表現が可能なのか。どんな工程で制作され、チェックや修正はどのように進めるのか、等々…。

 

そういった疑問が生じる原因は、(あくまで宮崎県内での印象ですが)

原因1.映像制作という商業の構造が主にBtoB(企業対企業)である。

原因2.映像制作業界から発信される情報が少ない。

原因3.映像制作業者を利用する機会が少ない。

といったところにあると思います。

 

原因1に関しては、映像制作には、高額で特殊な機材や、特殊な技能を身につけたスタッフが必要で、また映像をのせる媒体としてもTVが主体だったため、制作費・放映費は高額になり、個人の方や小規模な団体の方などが映像制作を外注したり発信したりすることは大きな負担となります。結果的に、映像制作業というものはBtoBに寄りがちになります。

 

そうすると、TV局、広告代理店、映像制作業者、制作費の提供元となるスポンサーやクライアントが繋がりや信頼を深めていく中で、その中でやり取りされる情報が関係者以外には伝わらない(伝える必要がない)状況になります。さらには、そういった情報やノウハウが外部に流出することが自社の損失に繋がる、と考える風潮も少なからず感じます。これが、原因2に繋がっていると考えられます。

 

原因3に関しては、上記の原因1・2に加え、近年のデジタル機器やネットワークインフラの急速な発達によって、多くの人が映像を制作し、DVDや動画投稿サイトで映像を公開できるようになったことが、映像制作業者を利用する機会の低下に繋がっていると考えられます。

 

その結果、映像を制作する場合の選択肢が「多額の制作費を投じて広告代理店や制作会社に依頼する」か「自身で制作したり、知人に依頼する」かに二極化している印象を感じます。先ほど、「多くの人が映像を作れるようになった」と書きましたが、だからといって、誰でもプロに負けない映像を作れるようになった訳ではないのも事実です。紙と鉛筆があっても誰でも上手に絵を描ける訳ではないのと同じですね。

 

映像を作りたいと思った時に、

「自分や知人には作れない。」

「自分や知人が作るものよりも、もう少し良いものを作りたい。」

けれど、

「誰に何を頼めば良いのか分からない。」

「大きな制作会社に依頼するほどの予算はかけられない。」

そういった方が少なからずいることを、私は実感しています。

 

AQアニメーションは、そうした二極化した映像制作の文化における「第三の選択肢」を提案したいと考えています。

 

私は決して、業界批判をしたい訳でもなければ、現状を嘆いている訳でもありません。映画館によって誰もが映像を楽しむという文化を手にし、TV放送によってその文化が家庭に浸透したという歴史がなければ、私は映像制作というワクワクする業界に身を置こうと考えることはありませんでした。デジタル機器やネットワークの発達がなければ、私のような個人が映像を制作し、世に出すこともできませんでした。スマートフォンやタブレット端末、デジタルサイネージ、プロジェクションマッピングといった、新しい映像媒体も広がりを見せています。

映像を楽しむユーザーにとっても、映像制作者にとっても、今という時代はとてもワクワクするものだと感じています。

 

そんな時代だからこそ、AQアニメーションは、映像を使って何かを伝えるという手段を、より多くの人に提供したいと思っています。そのためには、より多くの人に、映像制作という文化や産業を身近に感じてもらい、触れてもらうことが必要だと思いいたりました。

 

冒頭にも書きましたとおり、この度、当サイトのリニューアルにあたり、「制作事例(MAKING)」と「How to Animation(HOW TO)」のふたつのコンテンツを新設いたしました。これらのコンテンツは、

「映像の発注を検討している方(AQアニメーションに限らず)」

「映像制作に関わることのありそうな業種(デザイン、出版、メディア、ウェブ制作等)の方」

「映像制作の過程に少し興味のある方」

「映像制作者を志している方」

を主な対象として想定し、展開していこうと考えています。そのため、頭の痛くなるような専門的な技術やツールの解説は極力行わず、映像制作者が何を考え、どのように映像化の作業を行っていくのかが見えるような構成を心がけます。

それによって、「映像制作って面白い」と思っていただければ幸いですし、ひいては「映像発注のスキルアップ」になるようなコンテンツになればと思います。

 

映像制作という文化や産業を少しでも身近に感じてもらい、「映像を制作(依頼)してみよう」という人が増え、宮崎県からより多くの、そしてより品質の高い映像コンテンツが生まれてゆく。

そんな未来に少しだけ貢献できたらと、願っています。

 

2013年5月14日

AQアニメーション

代表 水﨑 皓平